東京造形大学
考える/think
貝塚惇観 / デザイン学科テキスタイルデザイン専攻領域
人間は一生のうちどれだけの時間を考えることに費やすのでしょうか。
私達が送る日常は常に変化し続けているといいますが、その変化について私達は様々なことを感じ、そして感じたことから様々に考えます。それはごく自然に、そして何よりも無意識に行われている行動なので今まで考えたことがありませんでしたが、そもそも、「考える」とは一体どういうことなのでしょうか。
私が思う「考える」ということは、頭の中で過去の自分の様々な記憶から、より近いヒントを見つけ出し、それを現在自分が置かれている状況にあてはめ変換することではないかと思います。 過去に自分が経験したこと、 行った場所、他者に言われたこと、 されたこと、自分が見た様々な情景、自分が聞いた様々な音、肌から感じた感触。年を重ねるごとにどんどん増えていく情報量は、唯一無二の自分自身だけのものです。そこから導き出した答えが、その人自身の「考え」であり、その人そのものなのだと思います。
自分の周りにある様々な情報を自分の中に取り込み、そうやって過去に取り込んできた様々な記憶から、 どんどん変換させていく。そういった、人が考えている時のその人の世界をドローイングに起こし、 タペストリーにしました。
私が考えた「考える」ということは、こういうことです。