装置をとおしてのみ
存在することが出来る生命.
ひと時のつながりの先の
決して一つになる事が出来ない孤独の中を
さまよい続ける.
AR(リアルタイムで映像合成を行う技術)を用いた映像インスタレーションです。
なんの変哲もない青い絵ですが、眼鏡型モニタを通して観ると、その前方には3DCGの水中生物がゆっくりと泳いでいます。生物は観ている人に、まるで絵の前方の空間に本当に存在するかのような錯覚を与えます。しかし、人が生物に触れようと手を伸ばすと、生物はたちまちモニタの中から消えてしまうのです。
現在、映像の表現技術は日々進化していますが、それがよりリアルでより身近に感じられる存在になるほど、現実世界にいる私たちとは完全に相容れない存在なのだと、改めて感じる瞬間があります。その、ほんの一瞬のはかない感覚を、短い物語に込めて形にしました。
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