昨今のIT 技術の進歩により、人々のコミュニケーション能力も一変して来ております。技術の進歩は人間の生活にとって決して悪い事ではありません。しかし、卓上で全てを把握しようとする現実社会で、コミュニケーション能力や自己実現という、我々人間のもつ単純な行動意欲が薄れつつあると私は感じています。
よく耳にする、「今の学生は元気がない」「ゆとり世代」という言葉には、自己と向き合う時間の排除という先人達が生んだ時代の後遺症だと思います。ならば、我々がそれを感じ、変えて行かなければ。「我々が行動する事」
そこで私は、桑沢デザイン研究所 卒業制作展と同時に学外制作展として、社会と自己との挟間にある「越える」という行為をキーワードに、会場の外の世界と紙を折って作られた洞窟空間( 自己の世界) との挟間( レーザー) に、何かを越えようとする快感あるいは不安感を来場者に感じていただきました。
今回の「久家英和 卒業制作個展『CROSS OVER』~越えた先に見えるもの~」は桑沢史上初めてとなる卒業制作学外個展と言うこともあり、800人もの来場者を記録いたしました。このような活動が今後、より多く行われるよう願っています。
[URL] http://hidekazukuga.me/ (作品詳細)
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