卒展レポート

東京造形大学

2018年度 東京造形大学 ZOKEI展

「SOAP」「食用リップ」「マグロ女」「右でも左でもない羽」「つつ抜け」「片想い」等の作品群による陶酔へ導くインスタレーション

「SOAP」「食用リップ」「マグロ女」「右でも左でもない羽」「つつ抜け」「片想い」等の作品群による陶酔へ導くインスタレーション

砂長 美智
造形学部美術学科 絵画

卒業制作では、「共感覚をつむぐ、つなぐ、ほぐす、事によるコミュニケーションの可視化」を研究した。

私は人々が陶酔することや、トランス状態、社会に対する怒りや欲望、疑問を絡めてテーマにしている。今回の展示では、広義の意味でのSEX WORKや、自分の立ち位置の危うさを作品を通して少しでも考えさせようとした。作品では視覚だけでなく、聴覚や嗅覚、味覚、触覚性などをもっており、共感覚的にトランスする状態を試みている。鑑賞者が会場の中をステージ中心に歩き回ると、鑑賞者の立ち位置が問われる空間構成になっている。私たちは性を演じており、常に陶酔状態にあるのではないか。

-舞台の中にある主な作品-
・「SOAP」映像約6分、グリセリンソープ、クレイパウダー、オイル、石鹸でできたスクリーンにプロジェクション
ラブホテルのお風呂場で、石鹸を泡立てて身体を洗う泡姫のドキュメンタリーになっている。

・「マグロ女」大量のスーパーツナの包み紙
大量に食べたマグロのおつまみの包み紙から実際に着れる振袖を作った。マグロという言葉の意味はたくさんある。諸説あるが、この作品の中でのマグロという言葉は、元々ゲイコミュニティの中で1980年代から隠語として使われていた。ハッテン場などで凍ったようにまっすぐ体を伸ばし、性行為させるだけの人を表すと言われている。関係の冷め切った夫婦や強姦や売春して冷め切っている様子の女性にも使われる、等々…。

作品一覧