疲れている人を癒したいという気持ちから、身近なもので誰でも手に取れる、またいつまでも手元に置いておくことができる「絵本」という形でそれを表現しようと考えた。この絵本制作を通して「癒し」とは何かについて考え、読む人に「癒し」を与えることを目的とする。

全10冊。悲しみ、悔しさ、寂しさ、不安などマイナスな気持ちを抱えている人が自分の気持ちを受け入れて前向きになれる癒しをテーマとした。それぞれ違った気持ちに対応した内容になっている。

『あめのひ』＝上手くいかない時
『おつきさま』＝眠れない時
『なみだ』＝悔しい時
『となり』＝寂しい時
『いしころ』＝つまずいた時
『たまご』＝勇気が出ない時
『ごはん』＝お腹が空いた時
『だいじょうぶ』＝不安な時
『ひとやすみ』＝疲れた時
『あなたへ』＝全体の制作を通して伝えたかった思いのまとめ

読者に対するメッセージという形にすることで、私の思い、もしくは「あなた」に対する誰かの思いを届けられるようにした。イラストレーションにはクーピーペンシルを用いて画用紙の凹凸を生かすことで温もりを表現し、親しみのある優しい世界観をつくるように心掛けた。全体的に柔らかい色味にし、シンプルな図形や模様のようなイラストレーションで場面ごとの気持ちの動きを表現し、読者の心に寄り添えるよう工夫している。また、手に取りやすく気軽に読めるものにするため、絵本のデザインやサイズ感にも気を配った。