東北工業大学
東北工業大学 クリエイティブデザイン学科 卒業制作展2017
スターリングエンジンの機構と動力を活かしたデザイン
- 熊谷 海斗
- ライフデザイン学部クリエイティブデザイン学科
人間がもともと持っている好奇心に訴えかけ「なぜ」、「どうして」と考える気持ちを引き出すために、本当の意味で物事を「理解する体験」が必要である。そのために視覚的要素として「動き」が必要と考え、エンジンに着目した。動力源を見える形にすることでその原理を理解し、その使い方を考えることで「応用」という「体験」ができる。以上のことからエンジン模型とその動力の応用装置をデザインし、実際に制作する事にした。
様々なエンジンの形式の中で、内燃の爆発力を利用しないため稼働時の音が小さく、構造が単純化できるので内部まで見せやすいスターリングエンジンを選んだ。これは、19世紀初頭に発明された熱機関の形式で、シリンダー内のガス(空気等)を外部から加熱・冷却し、その体積の変化により仕事を得る外燃機関である。
5台の試作を経て、最終モデルとして3気筒水平120度クランクエンジンを制作した。部品の加工にはCNCフライス盤を使用した。また、エンジンの動力を視覚的に楽しめ、また機能を持たせて付加価値をつけるために、以下の3つの応用装置を制作した。いずれも、 エンジン本体に取り付けられた遠心クラッチにより動作するようになっている。
・回転動力をわかりやすく示すファン
・回転動力をアニメーションに変換し視覚的に楽しむゾーロトープ
・太陽系の惑星の動きを回転の減速比により表現するオーラリー