中国は50以上の民族が存在し、各民族は特有の文字・言語・文化を持つ。本研究では、各中国少数民族特有の文字を取り上げ、その要素を現代生活で活かす方法を見出すことを目的とし、ウインドウトリートメントへ応用した。

（1）はシボ族の文字をモチーフとしたロールスクリーンである。シボ族の文字は満州文字をもととし、縦に文字を繋げて書くことが特徴であるため、その様子をデザインに取り入れた。（2）はタイ族の表音文字を色と向きを変えて組み合わせ、タイ族の衣装に見られる色を取り入れたロールスクリーンである。（3）はモンゴル族の文字をモチーフとしたロールスクリーンで、文字を高さ方向に繋げて図案化し、黄と緑に染めた背景と組み合わせて立体感を出した。（4）はミャオ族の文字と伝統衣装の模様を取り入れたベネシャンブラインドである。上には文字、下にはミャオ族の衣装に施される幾何学模様を配した。なお、ウインドウトリートメントの材料は、中国の伝統紙である宣紙である。