拓殖大学
拓殖大学 工学部 情報・デザイン・メディア学系 卒展
注視特性を利用した眼筋運動を促す平面表現
- 井上 晃一
- 工学部デザイン学科 視覚デザイン研究室
近年、若年層による視力の低下が問題となっている。インターネットの普及により、狭い視野や視点動作のない目の使い方が増加し、結果的に目の周囲の筋力が衰え、視力低下に繋がる要因となった。また、その殆どが近視症状であり、早期の改善が必要とされる。視力改善のためには、仮性近視つまり一時的近視になる状態時に対策をする必要があり、眼筋運動を取り入れることで改善を促せると考えた。
眼筋運動を促す案として、人の注視特性を利用することで眼筋をより働かせることに注目した。注視特性の高いものとして顔表現を挙げ、視点の分散を図るツールを制作した。これは、様々な人の顔の中から特定の顔を探し出すカードゲーム(人物札52枚、手配札52枚)となっている。手配札は、人物札の顔の一部が消失しており、残った情報から人物札を探し出させるものである。そして実際にゲームを行った結果、視点順位の高い内部特徴(鼻や眉)を隠したところ、足りない情報を他の部位で補完する働きを確認でき、探していく中で毎回異なる視線を作り出すことができた。