拓殖大学
拓殖大学 工学部 情報・デザイン・メディア学系 卒展
地域のコミュニケーション活性化を促す銭湯の提案
- 藤田 光彌
- 工学部デザイン学科 室内設計研究室
銭湯は、単なる入浴目的にとどまらず、ふるくから庶民の交流の場としての役割を果たしてきた。しかし現在、後継者問題や燃料費高騰による経営的な問題などにより、著しく減少している。本研究では銭湯を地域コミュニケーションの拠点として捉え、地域の特性に合わせたコンセプトを設定し、3タイプの銭湯を提案した。「ビジネス街型」は外国人観光客も視野に入れ、伝統的な銭湯らしさを残し、単身者同士の交流を促す提案で<一日の終わりに寄るトコロ>。幅広い利用者層を期待できる「郊外型」はイベントスペース(フリーマーケットや昔遊び空間などに利用)の設置や、浴育を意識した学びの要素を加える提案で<みんなで遊んで学ぶトコロ>。「地方型」は、無料開放スペースを設け、日常的には高齢者のコミュニケーションの拠点としての活用を促す他、同窓会などのイベントや里帰り家族のコミュニケーションの場としての仕掛けを提案する<いつでも迎えてくれるトコロ>。銭湯という日本独自の文化の特性を活かした地域コミュニケーションの拠点となったと考える。