拓殖大学
拓殖大学 工学部 情報・デザイン・メディア学系 卒展
室内防災に寄与するタケ材活用のための基礎的研究
- 徐 楚
- 大学院 室内設計研究室
タケは古くから曲げや引張りに強く、材料形状や造形自由度の高い材料として、様々な形で活用されてきたが、近年は循環型資源として改めて注目されている。また、2次加工材である集成材の開発・流通により、工業材料としての性質とサイズの安定性が確保されたことで、活用の幅が広がっている。
一方、地震国である日本や中国では、地震による家具の転倒、移動による被害を軽減する対策が求められている。対策のひとつとして、身近にあるタケ材の特性を活かした家具の軽量化や転倒しにくい構造の開発が、「室内防災」や「減災」に寄与すると考えられる。
本研究では、まず、室内防災の視点で家具やインテリアに求められる要素を抽出した。さらに、これに寄与するタケ材の活用を目的とし、加工方法(1次加工・2次加工)、材料形状の異なるタケ材について、視覚による感覚評価実験、機械的性質試験を行うことで、視覚的特性と機械的特性を把握した。これをもとに、家具の転倒や移動による人的ダメージを軽減し、減災に役立つタケ材の活用指針を示した。