拓殖大学
拓殖大学 工学部 情報・デザイン・メディア学系 卒展
視触覚を用いたプレパレーション・ツール
- 小野 歩
- 工学部デザイン学科 感性インタラクション研究室
本ツールは,4歳程度から小学生低学年までを対象とした触覚情報を組み込んだプレパレーション・ツールである.プレパレーションとは,処置治療に対する心の準備のために行う子どもへの説明である.既存のプレパレーション・ツールのほとんどが看護師の手作りによる視覚情報優位(例えば,絵本やエプロンシアター)のもので,治療の感覚を段階的に伝えるツールは見当たらない.
そこで,触覚情報を加えることにより治療を深く理解させるための構成要素を明らかにし,実際に使えるツールの制作を行った.内容は侵襲があるためプレパレーションが必須とされている採血とした.
採血において伝えたい情報は,注射器の「痛み」と駆血帯の「圧迫感」である.この2つを触覚情報として伝えるために3Dプリンタを用いてそれぞれのピースを8段階で表現できるようにした.これらを本体である2種類の箱と共に用いるようにした.箱は,興味を引き造形的に単純でしかも扱い易い点を考慮して木製の立方体を採用し,注射器と駆血帯と説明文をレーザー加工機で凹凸によって示した.