卒展レポート

金沢美術工芸大学

金沢美術工芸大学 第59回 美術工芸学部卒業制作展/第36回 大学院修士課程修了制作展

  • 「編むこと」によって生まれる造形研究
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「編むこと」によって生まれる造形研究

成子 夏芽
美術工芸学部デザイン科 環境デザイン専攻

「編み物」と聞いて何が思い浮かぶでしょうか。編み物の多くはセーターやマフラーなどの衣類や、ぬいぐるみなど身近なものだと思います。それらをよく見ると、編むことによってできる模様は規則的で、それ自体が綺麗な柄になっています。私は、それがもし空間に作用するものになったらどうなるのか、という疑問からこのテーマに取り組みました。調査・分析から編み物の役割を「包むこと」、魅力を「モノに沿う柔軟さ」と定義し、それらを活かした方法で研究を進めました。その中で「編み物でモノを包むこと」と「雪が街を覆う様子」がリンクし、それを答えとした「編むことで生まれる新しい形のつくり方」をプロセスと共に提案します。プロセスは「触れる」「考える」「創造する」という3つの柱を立てて行いました。「触れる」では、編む×空間でできる可能性を手当たり次第手を動かしながら探り、「考える」では既製品の調査からより論理的に考察を深め、それを基にして「創造する」のターンで研究の答えを制作しました。また本研究で導いた答えは、数ある答えのひとつでしかないと考えています。私が行ったプロセスの中に、また違う方向の道が続いていると感じているので、本研究はこれからも広げ、深めていく価値があると思います。

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