卒展レポート

金沢美術工芸大学

金沢美術工芸大学 第59回 美術工芸学部卒業制作展/第36回 大学院修士課程修了制作展

  • 人生を共に過ごすライディングチェア「ウィニー」
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人生を共に過ごすライディングチェア「ウィニー」

吉野 あゆみ
美術工芸学部デザイン科 製品デザイン専攻

超高齢社会では、減少する子どものためにより良い環境を投資する傾向が強くなると予想される。しかしおもちゃは、短期間の使用になることが多く、安く済ませてしまう傾向にもある。そこで私はこの矛盾を解決するため、こどもの成長と共に使い方が変わるライディングチェア「ウィニー」を提案する。1歳から6歳までは木馬として使用でき、その後ロッキングチェアとして使用できる。脚の円弧の大きさを前後で変えることで、大きく揺すりながら前進することができ、年長の子どもにも木馬を乗りこなす難しさや楽しみがある。フレームの素材に柔らかい合板を使い、そのしなりが美しい脚の曲線を実現した。また、ラウンド形状の背と座は体を優しく包み込んでくれる。おもちゃや家具は長く使い、受け継いでいくことで深い愛着を持つことができる。ずっと一緒に過ごしてきたそれらは、心のよりどころとなり、ものを大切にすることを知るきっかけとなる。「ウィニー」が子どもにとってかけがえのない存在になって欲しい。

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