卒展レポート

愛知淑徳大学

愛知淑徳大学 都市環境デザインコース 2016 卒業プロジェクト展

  • 新天地・新名所、名古屋集治監<br />ー世間に生きる私たちの「目」で、重犯罪者に刑に値する時間を。名古屋で繰り広げられる異質空間ー
  • 新天地・新名所、名古屋集治監<br />ー世間に生きる私たちの「目」で、重犯罪者に刑に値する時間を。名古屋で繰り広げられる異質空間ー
  • 新天地・新名所、名古屋集治監<br />ー世間に生きる私たちの「目」で、重犯罪者に刑に値する時間を。名古屋で繰り広げられる異質空間ー

新天地・新名所、名古屋集治監
ー世間に生きる私たちの「目」で、重犯罪者に刑に値する時間を。名古屋で繰り広げられる異質空間ー

篠原 里織
メディアプロデュース学部 メディアプロデュース学科 都市環境デザインコース

私たちが見ている現代のテレビ番組では絶えず痛ましい事件が放送され、多くの人が入獄している。しかし同時に、元受刑者が本を出版したり、再び事件を起こして逮捕されることなどから現実では彼らの再犯率は依然として高い状況である。刑務所は、本来ならば刑を受ける場所であり間違いを犯した者達を反省させ社会へ復帰させる役割を担っているにも関わらず、実際は社会から隔離され、さして不自由のない生活が送れる現代の刑務所は彼らが本当に反省できる場所かどうか問題になっている。私が考える刑務所という場所は、受刑者の再犯を防ぐと同時に一般の人々に対し、犯罪の抑止力となるような存在でなければならないと思う。そこで私は、死刑囚と無期懲役囚に焦点を当てる。

彼らは刑期が下されている受刑者よりも時間がある。彼らを対象とした一時収容所としての名古屋集治監は、見世物小屋と刑務所をモチーフにした建築的な切り口で考えた犯罪抑止施設である。受刑者はいずれ出所をすることになるので彼らの再犯防止は、社会に復帰した後から機能する。私が提案する刑務所は決して安らぐような空間にはなっていない。この空間を意図的に公開することは、一番容易に双方の犯罪抑止力に繋げられると考える。一方で、プライバシーで守られる凶悪犯罪者の姿に疑問や興味を持つ一般人も少なくない。

さらにこれを観光施設化することで適当な経済的潤いも付随し、この施設を観光地が少ないと言われる”白い街”名古屋の一番の繁華街の中心に持ってくる。囚人と一般人の不快を煽ることで意味を成す現代に沿った新しい施設を提案する。

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