卒展レポート

愛知淑徳大学

愛知淑徳大学 都市環境デザインコース 2016 卒業プロジェクト展

  • 有松絞り×ランプシェード
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有松絞り×ランプシェード

小川 有里加
メディアプロデュース学部 メディアプロデュース学科 都市環境デザインコース

絞りの町である有松は、江戸時代はじめの慶長13年(1608)に尾張藩の絞開祖竹田庄九郎らによって誕生した。有松旧東海道は、祇園時の南から松野根橋の西側までの県道瑞穂線が美化推進重点地区とされている。現在でも昔の繁栄と日本建築の美しさを残した商屋の立ち並ぶ町並みは、貴重な「有松文化財」とされている。旅人が故郷への土産として絞りの手拭きや浴衣などを買い求めたことから、有松絞りはこの東海道の名産物のひとつとして全国に広まった。約400年の歴史をもつ有松絞りは、100種類にも及ぶ絞り技法があり、また日本の絞り生産地のうち約90%以上を占めている。多くの技法を生み出してきた有松絞りであったが、実際に私たちが目にするのは数十種類しかない。また、絞りは模様によりそれぞれ職人が違うため、技法を受け継ぎ、再現するのが難しく、技術伝承の職人が減少してきているのが現状である。この先もこの伝統を残すためには若者の力を必要としている。

そこで今回の卒業制作では、有松絞りの伝統を受け継ぐと共に自らの発想を加え、新たなランプシェード制作を行った。この作品を通してさらに有松絞りの魅力を広げ、老若男女問わず身近な存在にしていくことを目的としている。

作品一覧