卒展レポート

愛知淑徳大学

愛知淑徳大学 都市環境デザインコース 2016 卒業プロジェクト展

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すえみち

平澤 拓也
メディアプロデュース学部 メディアプロデュース学科 都市環境デザインコース

私が生まれ育った岐阜県多治見市は陶磁器産業で有名な地域である。多治見市には市庁舎が2つあるが、片方は老朽化が進んでいるためこれが取り壊されたあと何が必要になるかを考えた。

敷地の近くには全国から生徒が集まる陶芸の専門学校があるため、その人たちと陶芸をやっていない人とが、「陶芸を通じて一緒に暮らせる集合住宅」を提案する。また、周辺に路地空間が多いことから「小道」をコンセプトとして取り入れる。向こう側が見え隠れする狭い道によってコミュニケーションを発生させる。小道の狭い空間はすれ違う時に何かしらのリアクションを求めさせる。会釈するだけでも住民同士の交流を生むきっかけになる。他に、縁台やベンチを多く配置し、気軽にどこでも座れるような環境にした。その脇に花壇や陶器の作品を置くことで、より中庭としての魅力が増す。

多治見市が今後陶芸という文化を長く伝えていくために、外部からの移住者がより陶芸を身近に感じられる仕組みが必要だと感じた。そのため陶芸室は5つ用意し、その横に中庭がくるようにした。こうすることで住民同士が作った器を見せ合い、交換するなどといった交流ができるようにした。さらにここでワークショップを開くことにより周辺住民も巻き込んでいく。付近には昔絵付けをやっていた方も多く、その技術を教えてもらうこともできる。

ここの住民とその周辺住民がこの集合住宅の小道を踏み均らし、地域に馴染んだとき初めて「すえみち(陶路)」となる。

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