岡山県立大学
人と自然と建築の新しい関係性を考える研究「里山 - 建築 - 人」
西川 紘子 / デザイン学部 デザイン工学科 建築デザインコース
人里と奥山の間には「里山」という曖昧な中間領域がある。
かつて、人々は生活のために山の資源の一部を借りながら暮らしていた。そうしてできた空間が里山である。
そこでは、人々と自然が互いに恩恵を受け合い、人々の心の中には自然と共に生きていこうとする精神があった。
しかし、時代とともに、人々は山の資源を借りずとも生活できるようになった。
そして、里山という環境が、人の介入がなくなったことにより崩壊の一途をたどっている。
そこで、人にとっても山やそこで生きている生態系にとっても「人々の生活と里山の関係」を再び結びつける必要がある。
人々の生活の中で、再び山との関わりを持ち、互いに良い関係を築く3つの提案を掲げる。
里山幼稚園
里山こそが学び場である。子どもたちにとって、里山には、宝が山のようにある。その宝箱となるのが建築である。
木の葉の住宅
この住宅は里山から木の葉を借りてくることで、より良い生活ができる。そして、人々がその行為をすることで、里山に人が入り、里山が維持されていくものである。
めぐみち
里山には、人の介入により、多種多様な生態系が生息しており、食べ物もたくさんある。そのことを人々に再認識させ、また、そこが自然と関わるだけでなく、コミュニティーや治癒の場となるものである。