卒展レポート

東京造形大学

2015年度 東京造形大学 ZOKEI展

  • 脳ミソにない意識
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脳ミソにない意識

大石一貴
彫刻

幼少の頃より、死後の意識の有無に恐怖心を抱いてきた。同時に人の意識(心)は何処にあるのかを知りたいと思った。今では人の意識は個人の身体に留まらず、物質、空間など、他の場に不特定に存在することでそれは存在し得るのと考える。
 上記の彫刻表現の一つとして、人の意識が常に他の存在と関係を持ちながら、飛散するように意識の居所が生まれる様子を表現した。透明素材が物体を取り巻く姿は、人に内包される意識が外気(他の存在)に侵蝕、影響して、それに関係性を及ぼす表現である。また、透明素材は外気の風情的な濁りや淀み、余白でもあり、物事の関係性の不確かな飛散と意識の他物質への定着を表現している。
 木材も素材として使用しており、空間を貫く形で構成されている。これは人の意識の透過性を表している。人は不特定に他との関係性を持つが、意識された関係性は確かな個への影響力を持つ。濁りや余白の中を透過する強い意識を表現している。

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