いつかの遠い昔。まだ私が子供だったころ。ぼんやりと、覚えてる。地元の古びたボーリング場に行っては、その中のゲームコーナーで遊んでばかりいたあの頃。そんな夏の一幕の出来事を、アニメーションへと昇華させた作品。
何気ないことが楽しかったあの頃を思い出しながら、でもあえて主人公の性別を変えてみたり。私の記憶という名の日記から、私を薄めていく。私個人の日記が観客たちのあの頃の日記と混濁していき、やがて”われわれの日記”へと変わっていく。
この、誰もがかつて心の底で感じたことのある遠い記憶。そんな、われわれ日記を楽しんでいただければ幸いである。
また、大学生活四年間の総決算ということで、技術的な観点でも大幅な強化が行われている。日常動作をメインに据えたアニメーションのため、3DCGで製作した本作品は内藤作品史上、最も”動く”アニメーション作品となった。