卒展レポート

東京造形大学

2015年度 東京造形大学 ZOKEI展

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ひとつになるとき

小黒実咲
絵画

水性木版画による彫り進み法を用いて制作している。
彫り進み法とは、1枚の版木をのせたい色の数だけ彫っては刷ることで絵を構築する技法だ。
私は、木目を一つの風景と捉えて分解し、なぞるように幾重も彫っては刷る事で描いている。
一つ一つの形は、一見独立して存在しているように見える。しかし実際には、層を成しながら互いに繋がり、干渉しあう事で成立している。
これは、木版画の特性的プロセスがもたらす効果であるが、私はこの在り方に強い共感を覚える。
世界は全くこの繰り返しで創られているのではないだろうか。
私たち個人も、決して一人で存在し得るものではなく、あらゆる”個”と繋がり、干渉し合うことで形作られているのではないか。
私は、描く行為を通して「世界の在り方」を考察し、体現しているのだ。

作品一覧