デジタルイラストレーション技術を研究してきたが、卒業制作ではこれまででもっとも繊細な表現に挑戦しようと考え、動物をモチーフにし、特に「毛」の表現をより特徴的に捉えた作品を作ることにした。

表現技法としては、AdobeのIllustratorを使用し、マウスを用いて動物の毛や体を全て一本一本、線を引く様に描くことで具象画とは違った動物が持つ特徴を表現した印象深い作品を目指した。「毛」の表現がより目立つように、目や鼻、口などの部分はあえて「面」で表現した。また、動物を画面いっぱいに押し込む様にレイアウトすることによって作品に迫力を与えたり、背景を黒い面に統一することでより動物を引き立てたり、抽象さの中にもどこかリアルな具象表現の要素を加えることによって、絵に少し奇妙なイメージを与えている。トータルで26体の動物イラストレーションを制作した。モチーフにした動物が持つ特有の「毛」の表現にしようと調べながら描いた。動物の選定は、「描いて面白そうな毛を持っている」ということを基準に行った。