修成建設専門学校
修成建設専門学校「卒業展2019-想いをカタチに。未来の自分に。-」
ツナギツガレル – ニュータウン再開発 地域住民の将来に向けて –
- 阪上 遙香
- 空間デザイン学科
デッキという最小の構造物と周辺集合住宅のリノベーションを通じて、この街が将来に渡りサスティナビリティを保ち続け、住み継がれていけることを願って本計画を行った。
今回テーマに取り上げた三田フラワータウンは、昭和57年(1982年)にニュータウン開発が始まり、街の中心には建築家・丹下健三の設計による兵庫県・人と自然の博物館と、広大な緑地公園である深田公園があり、整備された街並みと豊かな自然に囲まれている。また、一日の寒暖差が大きいことから、牛や豚、野菜や米も美味しく育ち地産地消されている。
しかし、開発から35年が経過したフラワータウンは現在、世帯主の定年や都市部への交通の利便性の問題から子世代の都会移住によりさらに少子高齢化が加速し、世代交代が進んでいない。また、築年数の経った住宅には新たな入居者も見つからず、今後は空き家の増加が見込まれる。また、周辺には働く場所も少なく、短時間労働を希望する子育て中の母親などは仕事に就きづらい環境といえる。博物館は小中学校の学習遠足など遠方からの集客を得ているが、周辺には他の目的となるスポットやレストランもなく、地域住民に対して密接に開かれているとは言い難い。この街が世代を超えて住み継がれていき、社会の変化や要請に応えていくためにどうすれば良いか。一つの方策としてスモールタウン化を模索した。