大阪工業大学
大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 第12回 卒業作品展
あてまげ道の先に。
- 浅野 愛莉
- 建築デザイン研究室
敷地は私の地元である富田林寺内町。
この寺内町は、伝統的建造物群保存地区で多くの町屋が現在も残っている。しかし、来訪者が少なく知名度が低い。そして、まちの歴史を知る人も少ない。観光地化を目指すのではなく、歴史を知ってもらい後世に引き継ぐきっかけをつくりたい。そこで、古建築を保存再生する「文化継承型リノベーション」を提案する。
富田林寺内町の都市構造「あてまげ」の道に注目する。あてまげ道とは、直交する二つの道路をわずかにずらし、侵入してきた外敵が、遠方をまっすぐに見通せない防御の手段。このような道の構成を利用し、あてまげの先をアイストップにして来訪者を誘う。
また、伝統建築の空き地や空き家などにギャラリーやまちの憩い場となるようなプログラムを挿入し、それらをつないでネットワークを構築する。決して観光地化を目指さないこのまちのあり方を持続させながら、歴史を知るきっかけを与える建築を目指す。
(建築部門賞)