大阪工業大学
大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 第12回 卒業作品展
神とシロアリ ー死生を見つめる場ー
- 橋本 遼平
- 建築デザイン研究室
梅田は大阪の北に位置し、ダイヤモンド地区を中心とした多くの超高層ビルが林立するオフィス街。
大阪駅地区では、JR大阪駅を始め地下鉄や私鉄の主要なターミナルが立地し、西日本最大のターミナル駅を形成している。また、阪急百貨店などの大型の商業施設やホテル、オフィスビルなどの業務・商業機能が集積している関西屈指の大都会である。
そんな経済主体であるこの地には、追いやられた空間や忘れられた空間も多い。火葬場の需要は減らないにも関わらず、都市の中で死を悼む場所が失われかけている気がする。しかし、単に死を悼む空間を都市に加えるだけでは都市のニーズに答えているだけに過ぎない。
火葬場は身近な人が亡くなった時にだけ訪れる非現実的な場。そこに瞑想の地を加える(様々な祈りを皆行う)。火葬場を身近な場に置き、かつ祈りの場が加わることで、今まで遠ざけていた場所を身近な存在にする。日常の中に当たり前にある場所として火葬場(死生を見つめる場)を新たなコミュニティの場にし、今の時代に皆が共有するべきことをこの地から発信する。
(奥山清行賞)