大阪工業大学
大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 第11回 卒業作品展
巣喰う街の観察日記
- 山田 泰輔
- ロボティクス&デザイン工学部空間デザイン学科
時代の流れの中で失われゆく小さな営みを顕在化させる事によって、この先起こるかもしれない出来事を観察し捉え直す為の作品である。
梅田曽根崎2丁目。戦後から多様な者たちがひしめき合う街区だが、再開発よって建物は次々に取り壊され、新しく建設される均質で巨大な高層ビルによって街の歴史や表情が失われようとしている。そこで、私はこの街の雑居という特性を用いて小さな営みを継承し、更新する提案をする。残された建物や過去の痕跡から雑居する者たちが巣喰い合う為の枠組みを設計し、長い年月をかけて絡み合いながら成長する街を形成してゆく。そして、この仕掛けがどの様な出来事を起こし、どの様な風景を守るのか未来の街を想像し、観察日記として綴った。
街は誰によって、何の為に作られるのか。私は多様な巣喰う者たちによって、それらの小さな出来事の集積が街を形作ると考える。あなたなら、この街にどんな日記を想像しますか。
(特別審査員・伊倉泰賞/建築部門賞)