入浴は私たち人間の生活に欠かせないものだ。昔は公衆浴場が多くあったが、今はユニットバスやスーパー銭湯などが現れ、入浴を楽しく手軽にした。しかし便利になった反面、情報過多や多意見、ハラスメントなどの問題があり、精神的な思考による疲労を生み出している。この精神的疲労は、身体的術生環境を整えることに特化した今の入浴施設では解消が難しいと感じる。

精神的疲労を解消するには、以前の考え方に固執することを止め、「自身も他人も常に変わりゆく存在である」という考えを持つことが大切だと思う。これは禅宗・能楽から見出すことができ、この思想を入浴空間に落とし込むことで、現代に合った癒しの空間ができるのではと考えた。大阪の北船場に、ルーティンワークに気づきを与え、気持ちの切り替えができる温浴施設を提案する。

（選外佳作）