大阪工業大学
大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 第11回 卒業作品展
もうひとつのしま ─せとうちに浮かぶ美術館─
- 土屋 洸介
- ロボティクス&デザイン工学部空間デザイン学科
建築空間においてのみずは、水盤などの意匠として使われることがある。みずは建築の敷地をこえた領域で、季節や天気によって変わる空や周辺を写しだし、不変で動くことのない建築にさまざまな表情を与える。
この提案では、自然に広がる海をひとつの水盤と見立て、瀬戸内海を主題とする。海を建築の意匠としてだけではなく敷地としても考えると、ひとつながりに広がっていく無限定なものであるとともに、海面に浮かぶ地形や船、人々を包み、つなぐ。陸に囲まれた穏やかな内海は、それ自体がひとつの庭のような親密さをもち、時ごとの満ち引きによって多彩な表情をもつ。
瀬戸内海のなかでも東側の、瀬戸内国際芸術祭が行われているエリアに焦点をあてる。芸術祭では展示や催しがそれぞれの島で行われているが、島同士をむすぶ関係性は薄い。そこでそれぞれの島をつなぐ芸術祭の起点となるような空間を提案する。この空間は瀬戸内に浮かぶもうひとつのしまとなる。
(選外佳作)