卒展レポート

大阪工業大学

大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 第11回 卒業作品展

  • 経年劣化を愛でる
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経年劣化を愛でる

中野 拓海
ロボティクス&デザイン工学部空間デザイン学科

昭和から平成そして令和へ。

日本と大阪の経済成長を支えてきた堺臨海工業地帯の建築群は建設時、町の異物であったが、今となっては人々の記憶に刻み込まれ、都市の風景の一部である。産業遺産と言う言葉があるように町の歴史の語り部とされている。

近年、新しい技術やライフスタイルが変化していくにつれ、工場たちは稼働停止し次々と壊され、人々の記憶の風景は失われつつある。今ある稼働停止されている工場の建築物をこの敷地に移築し、再構築する。そして、工場空間を利用したものづくりの場として生まれ変わる。

これからの時代、新しいもの、便利なものだけではなく、重ねられた歴史、何より私たちの記憶に残る風景を大切にしてほしい。経年劣化を愛でる。役目を終えた工場たちは新しい時代の創造空間として、進化し続ける人間たちと共にこれから活き続けていくことを願う。

(優秀賞/特別審査員・上中普雄賞)

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