テクスチャは材質の表面の部分的変化によって材質全体の質感や手触りを変える効果があり、空間やプロダクトに新たな表情を生むことができる。

本研究では、“人の感情などを表す形容詞”として「形としてイメージしにくい」「テクスチャとして表現されると面白そう」な形容詞を表現するテクスチャを創出することを目指した。

形容詞は「安心な・楽しい・恥ずかしい・勇ましい・賢い・ずるい・尊い・無邪気な」の8種類を選定。形容詞ごとに人の感情などを想起させる2次元画像の上位5パターンを抽出。樹脂ブロック上に凹凸加工したものを使用し、触覚と視覚で選ぶ3次元的イメージ調査へと進めた。さらに、選定した形容詞の質問紙調査とヒアリングの結果の分析から、形容詞を表現する新たなテクスチャをデザインした。今回のアプローチは、プロダクトの開発プロセスの新たな方法論の提案である。

（プロダクト・ヴィジュアルデザイン部門賞）