卒展レポート

武蔵野美術大学

令和元年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作展

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Punctua

荒川正光
デザイン情報学科

Punctuaは欧文の約物のみを収録したフォントファミリーである。当然約物のみでは使い物にならない。実際に使用するには既存の欧文書体と混植する必要がある。不特定多数の本文用欧文書体に対し違和感の少ない形状を追求する場合、その形状はきわめて一般的かつ無個性でなければならない上に、ファミリーもまた膨大でなければならない。Punctuaによって、タイポグラファは同一の書体の中で約物の形状に関しての選択肢を複数持つことが可能となる。本書体のファミリーは合計42のウェイトで構成され、複数の字形や花形装飾を含む。

2冊の書体見本帳は15世紀後期のヴェネチアに存在した印刷所Aldine Pressから出版された書籍とトラヤヌス帝の碑文を意識した装丁となっている。Aldine Pressの端正な意匠と特徴的な組版を研究し制作に落とし込むことによって約物を最も美しく、印象深く見せることを試みた。

作品一覧