古代エジプトの象形文字ヒエログリフに端を発する「音素文字」の一族が持っている、地理的及び歴史的背景をモチーフとしたモーショングラフィックス作品。
音素文字の、地球上に存在する様々な文明・地域への派生展開、および歴史上関連してきた人類の様々な文化や出来事、そして情報媒体などを大まかなモチーフとして取り上げながら、ラテン文字を中心に古代文明から現代電子文明までを追う。
表現としては、本来の音素文字が持つ「音素」と「筆画」の二つの要素をそれぞれ楽曲中の「旋律」と平面図形によって構成される「アニメーション」に置換したもの。楽曲とアニメーションの双方を自ら制作することで聴覚と視覚の噛み合う快さを追求し、同時に新たな角度から音素文字の持つ機能の表現を試みる。また、画面上のすべての図形はベクターデータで制作されており、そのモーションや変化はすべて座標計算や数値入力によるグラフ描画によって形作られている。
世界に実在している各音素文字体系をリスペクトしながらも、それそのものではない「旋律とアニメーションの対応関係」とシェイプやモーションの計算的制御によって最終的に快い映像としての再構成を図る。