卒展レポート

東京工芸大学

芸術学部卒業・大学院修了制作展2018

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マキオ

岩佐 真依
芸術学部 写真学科

20代の私たちは〝ゆとり世代〟といわれ、未来に希望を持てず。積極性がなく個人主義とも言われています。私や周りの友達も、生まれ育った環境に不満と未来に不安を持ちながら、抗うことも無く、置かれた状況の中で、日々の生活をしていく事で精一杯です。
作品は、そんな私たちの世代の不安や葛藤を表現しようと試みました。
被写体に少年の人形を使用したのは、人の性格や根幹は子供のころの経験が強く影響していると言われていること、また人形を現在の生活空間(家や路、公園)に置くことで、より不安や葛藤を表現出来るのではないかと考えたからです。
実際に撮影では、私自身の過去の記憶と現在の生活を重ね合わせながら場所を選び、少年の姿が私たちの深層にある感情につながるよう心掛けました。
最後に、私は人形の作成から撮影し印刷するまでのあいだ、自分と向き合う時間を持て、ただ漠然とした不安だけでなく、私たちの世代らしさを意識し生活することが、生きる糧にもなると感じ得る事が出来ました。
この作品が観た方々の記憶の淵と、私たち世代の思いとが、つながる事が出来たら幸いです。

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