卒展レポート

東京工芸大学

芸術学部卒業・大学院修了制作展2018

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森の中へ

堀 由梨花
芸術学部 デザイン学科 イラストレーション領域

森のイラストレーションを描きました。森の奥へ進み、身近にあるようでない特別な場所へ行く感覚を表現しています。子どもの頃整備されていない森には高揚感や刺激がありました。普段人が入り込まないような場所のため、車や人の声は無く、生き物のかすかな音だけが聞こえてくる日常生活から離れた別世界です。大人になると忘れてしまうような気持ちを思い出させてくれるような場所です。森は映画や童話の舞台になることも多く、ホラーやファンタジーの要素、幻想的な不気味さがあります。木の生え方一つで雰囲気が一変し、枝が重ならないように生えれば太陽の光の入る明るい印象になり、枝が空を覆えば光の入らない暗く幻想的なものになります。
色はつけず、不安な印象を出すため、白と黒のモノトーンで空間をまとめています。木の表面の質感を出すために短い線を一本一本描くことに力を注ぎました。また、木のうねりが単純にならないよう重なりを意識し独特なものになるようにしています。ただ不気味なのではなく、展示を見た人を包み込むような表現ができていればと思います。

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