東京工芸大学
芸術学部卒業・大学院修了制作展2018
やわらかな日
- 岡田 紗季
- 芸術学部 写真学科
独特とした生活形態に対する疑念を、ついに拭わなかった。
故郷や家族にあまり価値を認めたくなかったのかもしれない。
否定的感情を手放さないまま、私は故郷を離れることにした。
非生産的なことを演じては
故郷や家族、おそろしいほどに穏やかに
私の悉くを受け入れ続ける存在を告発し
見せしめにすることで心の平穏を保っていた。
故郷の存在は、とても儚かったはずだった。
思えば、いつも脳裏に故郷が浮かんでは消えていく。
淡々と過ぎていく日々が、それらを悠久ならしめた。