武蔵野美術大学
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森 拓馬 / 視覚伝達デザイン学科
誰もが一度は、紙幣に描かれている福沢諭吉や夏目漱石の肖像画に折り目をつけて、笑ったり悲しんだりする表情を作って遊んだことがあるのではないかと思う。
では、もしお札が紙という素材から解放され、伸び縮みさせて遊ぶことができたのであれば、彼らはどんな表情を私たちに見せてくれるのだろうか。
今回、私は三つの国で使われている紙幣を拡大し、ハッチングにより描かれていた図柄を、明暗法によるペインティングに置き換え、ストレッチ素材の布によって表現した。
日本、中国、アメリカ。いずれも名目GDPランキングの上位三ヶ国である。最近では中国が日本を抜いて第二位となり、このままいけば二〇二五年にはアメリカを抜く。
各国の変化する 表情と、伸縮するお金の価値に焦点を当てた作品ともいえる。