武蔵野美術大学
ざわめき
滝沢 朋恵 / 工芸工業デザイン学科 テキスタイルコース
群衆のざわめきの音と存在感を布に織り上げた。
駅や繁華街の人ごみで、会話が混ざり合い、言葉の意味を失った得体の知れない像が立ち現れてくる。
人の聞き取れる許容範囲を越えた音の像へ、畏怖の念を抱いたことが、制作のきっかけとなった。
作品を見る視点が、自分と人ごみの距離に相応するように構成し、色は黒でざわめきのイメージを表した。
テキスタイルでの表現としては、黒色の光を吸収する綿の織り地に対し、会話を表した糸に、ちらちらと光を照り返す化学繊維を使用した。
また、オリジナルの技法を用い、ループさせた半立体的な糸で、ざわめきの強い存在感を強調した。