東北芸術工科大学
ゼラニウム
制野麻美 / デザイン工学部映像学科
人が背景に溶け込むような瞬間が好きだ。言葉に上手くは表せないけれど、その瞬間にしか味わえない不思議な感覚。始めからそこにいたような景色が広がる。撮影は基本ロケハンなどはせずに、直接その場に行き散歩をしながら撮影する。だからこそ一瞬が大切で、初回に行った時にしか味わえないドキドキした感覚、そこに徐々に馴染んでいく彼女達、溶け込む輪郭。その瞬間を大切にしたくて、私は記録する様に撮り続けている。甘くて苦い、そんな不思議な気分になる現象をゼラニウムという花の名前を借りて表したい。