いろいろな世代が暮らす地域では、血縁だけではない「地縁」の小さな社会があった。しかし今は町の境界は硬くなり隙間がなく、建物も住居も硬くなっている。そこで建物内に各居室がばらばらに設置され、境界線がひかれない集合住宅を設計する。玄関は設置せず、各々が独立した空間。家族という構成にこだわらない暮らし方。それぞれのハコは最小限の大きさにしており、部屋に入りきらない物がどんどん外の空間にはみだしていく。はみだしてきた家の家具たちはその家の雰囲気を作っていき、誰の物でもなかったハコとハコの間のスペースはその家の色にどんどん染まっていく。