東北芸術工科大学
まとう場所 −身体をたどる−
金子明日香 / デザイン工学部建築・環境デザイン学科
「人は空間そのものを着ている。空間をまとっている。」これは、あるテキスタイルデザイナーの言葉。この言葉から、人と空間との関係を改めて考えた。建築によって、空間によって、人と人との距離を近づけることができるのではないだろうか。空間を介して、もっと人の意識の中に周りの環境を取り込むことができるのではないだろうか。「まとう」をキーワードに人と人との距離を近づけていくような空間設計を行なった。より意識の中に他者を取り込むために、また他者を知って見るきっかけを作るために人の動きに着目する。人の身体から生まれる軌跡をたどっていき空間化していく。それぞれの動きを取り入れた空間をつなげていき、連続させることでひとつの空間を作り上げていった。人々が持つ「まとう」を共有していくことで人の意識は互いに刺激しあう。ここは人と人、人と空間とが近づける場所。