本年も金沢美術工芸大学の卒業・修了制作展が、金沢21世紀美術館を会場に開催されました。展示空間のデザインは学生主体で行われました。作品をジャンルごとにまとめたり、来場者にわかりやすく説明する映像をつくったり、ライティングを工夫したりなど、デザイン科の各専攻ごとに緻密に計画されていました。当日は新型コロナウイルスによる影響で、厳戒態勢の中、緊張感のある展覧会となり、会期も短縮することとなりましたが、混乱することなく適切に運営が行われました。

卒業・修了制作展は各専攻の教育方針に沿った多様なテーマ設定や表現が求められます。夏から制作がスタートし、幾度かの学内審査でコンセプトやデザインが研ぎすまされ、提案性の高いものに仕上がっていきます。コミュニケーション・製品・空間からファッションにいたるまで新しい価値の創造を目指した、現代社会や時代性に対してのチャレンジ精神溢れる作品が多く見受けられました。