卒展レポート

金沢美術工芸大学

金沢美術工芸大学 卒業・修了制作展2020

  • 地球に還りうるサッカースタジアム
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地球に還りうるサッカースタジアム

頼安礼市
美術工芸学部デザイン科 環境デザイン専攻

世界には需要に見合わない、規模を持て余しているスタジアムが多く存在する。オリンピックやワールドカップが開催されるたびに新築され続けているのだ。それは大規模な空間のあり方として適しているだろうか。そこで現在計画中であるツエーゲン金沢の新スタジアムとしてまちなかに近い敷地を選び、そこの既存施設を活かしつつ地面を掘って作るスタジアムを提案する。

掘ることで内と外の境界を和らげ、土地と一体になった空間を作る。また、地球に還るスタジアムとして地球のサイクルに取り込まれるために、植物に触れながら応援できる客席のデザインにし、掘った土を盛り土にして様々な段差のつけ方をすることで居場所や過ごし方を限定しない自由な観戦を可能にした。サッカースタジアムとしての役割を終えた後はピッチがあったスペースは畑に変化し、この地域の自給自足を促す拠点として機能していく。これからの大規模空間が長い時間軸で考えられるきっかけになるための提案である。

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