私は「one forest」という人の豊かさとは一体何なのかを自然との関わりから問い、思索するための展示を行いました。自身が在学中に感じた「空間は心を動かすことができる」ということを体現するため、思索的デザイン:speculative designを用いて心を動かす空間デザインを研究しました。

日常での自然との接点から豊かさを感じるという1回目の展示に始まり、人工物を自然の何かに見立てるという2回目の展示を経て、展示ごとの来場者からのフィードバックから、豊かさについて考えるための空間デザインのための構想と実装を繰り返すことで、第3回目の展示にて、古くからの価値観を引用した直感的な展示をつくりあげることができたのではないかと思います。

未来は単一ではなく、様々な意見を持つ人々が互いに認め合いつつ、様々な問題を見つめる責任を持つ必要がある。そのために今ある意識を進化させるべきであり、この研究がそのトリガーになれば、と願います。そんな思いを込めた展示「one forest」を通して来場者が思索し、自らの豊かさについて考えることが出来たなら、心を動かす空間を実現できたのではないかと思います。

そしてこの研究にご協力くださった沢山の方々、展示にご来場くださった方々に、お礼申し上げます。これからも私の研究を温かく見守ってくださると幸いです。