絵画を100枚自分のスタイルで描き直した。選んだ基準は、誰もが見たことのある絵画と、個人的に面白いと思った絵画の2つである。
　
正直、絵画に興味のある人は少ないと思う。絵画に興味がないのは、絵を知らないから。

しかし、「知っている絵画」と「知らない絵画」の違いについて考えると、見たことがあるか、ないかであることに気づく。これは当たり前のように思えるかもしれない。しかし、なぜ描かれたのか、何を表現しているのか、それらを知らなくても、見たことがある絵画は「知っている絵画」となることが多い。この曖昧さは非常に面白いと思う。

絵画は過去を知るための物証のひとつであると考えられる。温故知新という言葉があるように、過去を知り、それらを学ぶことで新しい知識や考えを得ることができる。

現在、世の中は大きく変化しようとしている。この展覧会で絵画に興味を持ち、絵画から過去を学ぶことで、何らかのヒントを得て少しでも今後の役に立てればと考える。

（堀木エリ子賞）