卒展レポート

大阪工業大学

第8回 大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 卒業作品展

禅語の建築化

禅語の建築化

服部 裕哉
建築デザイン研究室

日本の現代はストレス社会である。かつてないほどの情報が行き交う中で、求められる情報処理能力はより複雑化してゆく。時間とストレスに追われる日々によって、人々は心身ともに疲弊しがちである。他人と関わりストレスを分け合うだけでなく、ひとりになって、人生の中の余白のような時間を過ごすことで、心に潤いを与える空間が必要では無いか。

そのような世の中で、日本文化に古くから深く通じている禅の言葉「禅語」に着目した。禅は宗教としてだけでなく、マインドフルネスなど、人間の悩みを解決する精神科学としても見直されている。その禅の言葉である「禅語」は、宗教という枠を超えて、日常を歩んでゆく中でのヒントとなるように感じる。

日本有数のオフィス街である、大阪船場の街の細い路地空間に、禅語を建築化した空間を点在させ、「禅語」とともに「禅語が示す境地を感じるための空間」を巡る中で、都会の喧騒を逃れ、自分と向き合い、心に落ち着きを与える瞑想空間を構想する。

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