大阪工業大学
第7回 大阪工業大学 工学部 空間デザイン学科 卒業作品展
実り育つ いのちの公園 ― 新しい育児コミュニティのカタチ ―
- 中馬 有沙
- 空間デザイン学科 建築デザイン研究室2
核家族化や共働き等、複雑な社会環境の中で孤立する若い夫婦や女性が増えている。
かつては地域社会とのつながりが濃厚であったので、近隣の人などの身近な経験者から育児の知識を教わることも容易であった。そのような社会システムが壊れつつあり、育児不安を抱えた母親たちは、ノイローゼになったり、子どもを虐待してしまうといった問題が生まれ始めた。地域との結びつきが希薄となった今、働いている母親、家庭に入り子育て中心の母親、すべての母親に必要なことは、まちに「母親の居場所」を作ることである。
そこで、まち全体で妊産婦や子育て世代をやさしく受け止め、支援するために、公共空間である公園と一体となった育児支援施設を計画する。
それは、公園の中にある施設であり、あるいは、公園化した施設とも言え、公共の場として誰もが近寄りやすく、快適な公園としての環境に専用の施設を寄り添う形で配置することで、施設と環境の相乗効果を図る。
(清水泰博賞)