広告は誰もが知る宣伝活動だが、それを評価する広告賞自体はあまり知られていない。また、賞の制度も煩雑で分かり辛いものが多く、例えば新聞広告ひとつを取ってみても、朝日・日経・毎日・読売などの大手新聞社から、地方新聞社に至るまでの各社が新聞広告賞を主催しており、その内容も様々である。新聞社だけでなく広告代理店や協会団体・職能団体らが主催する様々なメディアに関する広告賞もある。昨今はこれにデジタルメディアが加わり、日本の広告賞は多様化していることが分かる。

広告賞がここまで多様化した理由はなにか。また、どのような役割が広告賞に求められているのか。このことを調べるために、日本の広告賞の中でも権威があり、歴史の長い「広告電通賞」「朝日広告賞」「毎日広告デザイン賞」の3賞を重点的に調べ、1930年ごろから現在までの広告と広告賞について考察した。

（ヴィジュアル部門賞）