私には服飾デザインを学んでいたという背景があり、その頃からいつも建築はインスピレーション源であった。そして建築と衣服のデザインの繋がりをいつも感じていた、その二つの繋がりを今回テーマに製作をスタートした。建築も衣服も根本的には身体を包み守るという点では同じ。アドルフ・ローズは身体を包むために空間を建築することが建築であるというように主張している。もしそうだとすれば、空間を身体で感じるスケールの違いだけで建築にも衣服にもなりうるはず。そのようなことを考えれば、どちらも「一つの包むもの」で表現できるのではないか。根源的、概念的な観点から建築と衣服の関係性の探求を目的とする。