卒展レポート

金沢美術工芸大学

金沢美術工芸大学 卒業・修了制作展2020

  • “THE NAME-BRAND ITEMS”
  • “THE NAME-BRAND ITEMS”
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“THE NAME-BRAND ITEMS”

佐藤光沙子
美術工芸研究科 デザイン専攻 ファッションデザインコース

本研究は、精神と身体の関連性をテーマに衣服と人間の承認欲求について取り扱った。物が簡単に手に入る豊かな現代において、私たちは生理的欲求・安全欲求を満足に満たすことができる生活下にいる。またSNSの普及により自己表現・発言を自由に発信出来る様になった。しかしその一方で、表層的になった人々の承認欲求はますます肥大化している。過剰に加速する承認欲求に、生きづらさを感じる人が多く存在することを現代社会の課題と捉え、研究とした。

昨今のブランドロゴブームを始め、施された衣服の装飾は、他者ありきに存在する「他者承認欲求」と直結する。本作品は、ロゴ・レシート・タグと言った所謂ブランドシンボルをモチーフとし、まるで捨てられないまま蓄積するレシートを上記の他者承認欲求と捉えた。それら以外の衣服部分を機能しないものとして「裸の王様」になぞり、ポリ塩化ビニルを用いて無色透明で表現した。

また、時代・社会や文化を背景に、街に集まる若者たちに支持され発信される「ストリートファッション」のジャンルに落とし込んだ。付けられた評価に過剰に囚われ、踊らされることは、ものを考えず他人に意見を委ねることと類似する。時に潔く捨て、心身共に開放されて欲しい。

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