金沢美術工芸大学
金沢美術工芸大学 卒業・修了制作展2020
さいがわ交通公園
- 地金育美
- 美術工芸学部デザイン科 環境デザイン専攻
子どもを対象にした、自転車の技能とルールを学ぶための公園の提案。この公園を利用することで、自転車の利用マナーを向上し、より快適に自転車活用ができる金沢市の街づくりに貢献する。
公園は子どもが自転車デビューする際に無理なく段階的に学べるように計画されている。最初に犀川緑地両端にある駐車場傍の芝生広場において、自転車の操作を学び、次に犀川自転車道を利用して走れる距離を徐々に伸ばしていく。そして中央の拠点施設まで辿り着いたら、緑豊かなわざコースにおいて自転車の技能を磨く。自然の地形を模した遊具に辿り着くために様々なコースを攻略し、街中の障害物を克服する技能を身につける。そして都市を模したルールコースにおいては指導員から自転車ルールを学び、独自の自転車免許も取得できる。そのあとはルールを覚えるゲームや公共交通機関を模した遊具で遊ぶ。このように、公園に何度も訪れる機会を作ることでルールを定着しつつ、道を利用する自転車以外の存在にも目を向けさせることで、他者を思いやりながら街中を走行する精神を育む。
制作では、手軽な自転車が快適ではない走行環境におかれていることを問題視し、自転車自身のマナーを改善することで解決を試みた。しかし、道路は自転車だけではなく歩行者や自動車も利用し、それぞれが問題を抱えている。一人一人がマナーを意識し、快適に移動できる街づくりをすることが大切なのではないかと思う。