金沢美術工芸大学
金沢美術工芸大学 卒業・修了制作展2020
空を眺めるスウィングチェア
- 長谷川皓士
- 美術工芸学部デザイン科 製品デザイン専攻
働き方改革が叫ばれる昨今、本当に必要なのは休み方改革なのではないだろうか。プレミアムフライデーの失敗や定時退社後の仕事の持ち帰りなどの現状が日本人の休み方を物語っている。家やカフェなど何処でも仕事ができるようになり、会社では個人の効率的な働き方と創造性の向上が求められている。
そこで私は、休息に特化した場が必要だと思い、空を眺めるスウィングチェア「EDEN」を提案する。私は休息の心地よさを「空」と「揺れ」という要素で捉え、空を眺めながら揺れるイスの制作に至った。
この椅子の特徴は揺れながら丁度良い角度で空を見上げることができることである。座面の吊り下げ方の構造を20パターン以上検証し、支点を2カ所にすることで心地よい揺れを実現した。背面の角度は立った時に空を見るのと同じ50°になるよう設計されている。フレームやロープ、背座には屋外での使用にも耐えられる耐久性の強い素材や塗料を使用した。景色の美しい場所に設置され、誰かにとってとびきり気持ちの良い場所になればと思う。